今年二冊目は、映画化もミュージカル化もされた浅田次郎の『地下鉄に乗って』。
地下鉄に飛び込み自殺をした兄を思い、駅の階段を登って地上に出ると、そこはタイムスリップした時代の東京だった。
いまや大財閥のトップとなった父の威光と横暴に影響を受けながら育ってきた真次たち兄弟は、その人生までも思うように行かないものになっていた。
しかしこのタイムスリップを通じて父の生きてきた足跡をたどり、いろいろなことが見えてくる。
兄が自殺をした日、戦後の闇市、戦前の満州、そして昭和初期。
駅を降りて地上に出るたびに時代を遡ってタイムスリップし、そこにある父の生い立ちを知りながら、兄の死の訳も知る。
タイムスリップにはプロポーズをすることになる彼女もなぜか経験する。その訳は彼女もやはり父の生い立ちに関係していたからだった。。。
時代をいくつも取り込んでいるので、一つ一つの描写は詳しくないが、高度成長期の新中野鍋屋横丁や戦後の新宿の闇市、昭和初期の銀座など、その次代を彷彿とでき楽しいストーリーだった。
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